運送業を開業するまでには、人、車両、施設、設備、資金計画等さまざまな要件をクリアしたうえで、それらの資料を整備し申請書類を作成し、運輸局に許可申請することが必要となります。
このページでは、一般貨物自動車運送事業の許可を取得するにあたっての主な要件を掲載しています。
コンテンツ
人に関する基準
事業を安全かつ適切に運営できるよう、所定の要件を満たす運行管理者、整備管理者、運転手の選任が必要となります。
必要な人員について、最低車両数が5台となっておりますので、許可を取得するにあたっては、運転手のうち1人が整備管理者を兼務する場合で、最低6名の人員が必要となります。
運行管理者
運行の安全確保を適切かつ効果的に行うため、一般貨物運送事業の開業にあたっては運行管理者の選任が義務付けられています。
運行管理者の必要数は、営業所の車両数により決まっており、29両までは1人となっています。
なお、運行管理者は、整備管理者との兼務は可能ですが、営業所において運行を管理する者として、運転者との兼務は認められていません。
整備管理者
トラックを常に安全に走らせるために、トラックの点検や整備、車庫の管理等をするための専門知識を有する者として、整備管理者の選任が義務付けられています。
整備管理者は、営業所に1人いればよく、運行管理者と異なり、運転手との兼務が可能です。
>> 整備管理者の資格要件など詳しくはこちらをご覧ください。
運転手
申請する車両(トラック)の台数や大きさに応じた免許を取得した運転手を確保しなければなりません。
7台のトラックで事業を始めるのであれば、7人の運転手が必要です。
>> 貨物運送業に必要な運転手について詳しくはこちらをご覧ください。
車両に関する基準
最低車両台数
① 営業所毎に配置する事業用自動車の数は種別ごとに5両以上が必要となります。
② トレーラーやセミトレーラー等のけん引車、被けん引車を含む場合の最低車両台数は、けん引車+被けん引車で1両とカウントされます。
③ 霊きゅう運送、一般廃棄物運送については、1両からの開業可能です。
事業用自動車
① 計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なものであること。
② 使用権原を有するものであること。
>> 貨物運送業に必要なトラック等の事業用自動車について詳しくはこちらをご覧ください。
施設に関する基準
貨物運送業を運営するには、適切な規模や設備を有した営業所、休憩・睡眠施設、自動車車庫が必要となります。
営業所
① 規模が適切なものであること。
② 農地法、都市計画法、建築基準法等関係法令の規定に抵触していないこと。
③ 使用権原を有していること。
休憩・睡眠施設
① 原則として、営業所又は車庫に併設するものであること。
② 乗務員が有効に利用することができる適切な施設であること。
③ 乗務員に睡眠を与える必要がある場合には、少なくとも同時睡眠者1人当たり2.5㎡以上の広さを有するものであること。
④ 使用権原を有するものであること。
⑤ 農地法、都市計画法、建築基準法等関係法令の規定に抵触していないこと。
>> 貨物運送業の営業所・車庫の設置条件について詳しくはこちらをご覧ください。
自動車車庫
① 原則として営業所に併設するものであること。併設できない場合は、平成3年6月25日運輸省告示第340号に適合すること。
〇大阪府の場合
・貝塚市、泉佐野市、泉南市、豊能郡、泉南郡、太子町・河南町・千早赤阪村を除く南河内郡 ・・・ 5km以内
・その他の大阪府 ・・・ 10km以内
② 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
③ 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ、計画車両数すべてを収容できるものであること。
④ 農地法、都市計画法、建築基準法等関係法令の規定に抵触していないこと。
⑤ 前面道路については、原則として幅員証明書により、車両制限令に適合すること。
⑥ 使用権原を有するものであること。
>> 貨物運送業のトラックなどを収納する車庫のついて詳しくはこちらをご覧ください。
資金に関する基準
資金計画
資金計画については、下記のような基準があり、事前に正確な所要資金を算定して、必要な自己資金を、許可までの間常時確保していなければなりません。
① 所要資金の見積りが適切なものであること。
② 所要資金の調達に十分な裏付けがあること、自己資金が所要資金に相当する金額以上であること等資金計画が適切であること。
③ 自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。
令和元年11月1日からの貨物自動車運送事業法の改正により、車両を所有している場合で1,300万円程度の自己資金が必要となります。
>> 貨物運送業許可のための所要資金の算定方法について詳しくはこちらをご覧ください。
法令遵守
法令遵守については、下記のとおりです。
主には、法人の役員等が許可申請後行われる法令試験に合格することと、社会保険等に加入すること等が求められます。
① 申請者又はその法人の役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有しかつその法令を遵守すること。
② 健康保険、厚生年金、労働者災害補償保険、雇用保険に加入すること。
③ 個人の場合は申請者又は申請者が法人の場合は、その法人の役員が貨物自動車運送事業法又は道路運送法の違反により、申請日前6ヶ月間(悪質な違反については1年間)又は申請日以降に、自動車その他の輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者ではないこと。
④ 新規許可事業者に対しては、許可書交付時に指導講習を実施するとともに、運輸開始届提出後1ヶ月から3ヶ月以内に実施される地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の適正化事業指導員による巡回指導によっても改善が見込まれない場合等は、運輸支局による監査等が実施されます。
>> 法人の役員等が受験する貨物運送業の法令試験の概要と試験対策について詳しくはこちらをご覧ください。
損害賠償能力
① 自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な損害賠償能力を有するものであること。
② 石油類、化成品類又は高圧ガス類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、①に適合するほか、当該輸送に対応する適切な保険への加入する計画など、十分な損害賠償能力を有するものであること。
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